人気ブログランキング | 話題のタグを見る

オルセーのナビ派展“美の預言者たち―ささやきとざわめき”:三菱一号館美術館

オルセーのナビ派展“美の預言者たち―ささやきとざわめき”:三菱一号館美術館_b0366817_09162053.jpg

“かわいいナビ派”みたいな感想が多くて、ホントかな?と観に行くと、たしかに。ほどよい抽象化と色彩感。ゴーガン、そしてジャポニズムの影響。描かれた女性たちの服飾……。19世紀末のパリの芸術家たちが自らを“ナビ(預言者)”と呼んでいたこと、初めて知りました。

エミール・ベルナール/ブルターニュの女性たち
ポール・セリュジエ/にわか雨
ケル=グザヴィエ・ルーセル/テラス
アリスティード・マイヨール/女性の横顔
モーリス・ドニ/窓辺の母子像
ヨージェフ・リップル=ローナイ/花を持つ女性
フェリックス・ヴァロットン/ボール
ポール・ランソン/黒猫と魔女
マルグリット・セリュジエ/谷間の風景 四曲屏風
エドゥアール・ヴュイヤール/ベッドにて
オルセーのナビ派展“美の預言者たち―ささやきとざわめき”:三菱一号館美術館_b0366817_09162659.jpg

心にとまった作品を書き付けてみると、大切な人が抜けていました。(日本かぶれの)ピエール・ボナール。彼の「庭の女性たち」や「格子柄のブラウス」は、美術館を彩っています。そのなかで異色とも見える「ベッドでまどろむ女(ものうげな女)」の情念に引き込まれました。

もう一人はヴァロットン。先に書いた「ボール」より、連作版画の「アンティミテ」。そして「化粧台の前のミシア」「室内、戸棚を探る青い服の女性」「髪を整える女性」の3作品が並ぶ独特の空気感にまいりました。

ヴァロットン、デトロイト美術館展にも印象的な作品が出てました。2014年に三菱一号館美術館で行われた展覧会の図録は残念ながら売切。でも、岩波文庫のルナール「にんじん」で、彼の版画がたっぷり楽しめるんですね。

オルセーのナビ派展“美の預言者たち―ささやきとざわめき”:三菱一号館美術館_b0366817_09163126.jpg

ポストカード4枚購入、1枚毎に“ぬりえ”が付いてます!
オルセーのナビ派展“美の預言者たち―ささやきとざわめき”:三菱一号館美術館_b0366817_17045503.jpg


Commented by desire_san at 2017-04-16 08:34
こんにちは、
私も『オルセーのナビ派展』を見てきましたので、ブログを楽しく拝見しました。ナビ派の画家たちは、ゴーガンから影響を受け、ゴーギャンの「総合主義」の美学を、一般の人に馴染みやすいものに変革し、親しめる作品、心休まる作品、売れる作品に具現化していったのを肌で感ずることができました。同じナビ派でもボナール、モーリス・ドニ、ポール・セリュジエ、ヴュイヤールそれぞれに個性があり、それぞれが自由に自分の作品を展開していったのは興味深くたのしめました。

私もこの美術展で観た作品に今まで見たナビ派の傑作と言われる作品を加え、ナビ派の芸術運動の全貌を見ながら、ナビ派の芸術運動の本質と美術の歴史に残した意義を考察してみました。読んでいただけると嬉しいです。内容に対してご意見・ご感想などコメントをいただけると感謝いたします。


Commented by nijinotami at 2017-04-16 18:30
お立ち寄りいただき、ありがとうございました。

ワタシも、ブログを読ませていただき、とても勉強になりました。

ちょっとだけ、お返事書きました。
by nijinotami | 2017-03-27 08:43 | 美術館・博物館 | Comments(2)

美術館や博物館、コンサートや落語など、行きたいところはいっぱいあります。月に1度ぐらいは女装して出かけてます。


by 岡村ゆかり