よみがえれ!シーボルトの日本博物館:国立民族学博物館
2017年 08月 16日
民博40周年記念特別展。たしかにこの場所にふさわしい企画です。シーボルトが日本で収集し、ヨーロッパに送った資料から、彼の日本博物館構想を再現すること。その日本イメージは、無名の絵師が描いたシーボルトの肖像画のようにバイアスがかかったものかもしれない。それでも流出や売却などの苦難を乗り越えた資料はよく保存されていて、150年前の日本に触れることができます。そこにシーボルトの志が果たされている。そんな気がしました。
かるた、千代紙、唐紙といった紙製品。煙草や薬草、房楊枝。おろし金に卵焼鍋。手拭いに使われたキッチュな文様の木綿地藍板締裂。素朴な玩具類。味わい深い色絵蹴鞠餅花文土瓶。シーボルト事件の引き金になった精巧な地図の数々。
早坂文嶺の蝦夷人画。シーボルトの同伴者だった長崎の町絵師・川原慶賀(トヨスケ?)の風景画、風俗画、肖像画。絵画資料はもっと見たいと思いました。
シーボルトが持ち込んだという1860年頃の「出島印刷所活字見本」がワタシのお気に入りです。
ドイツ人、フィリップ・フランツ・シーボルトは、1823年に27歳で来日。1830年帰欧し、1832年に持ち帰ったコレクションを展示する「日本博物館」を開設。1859年に息子を伴い再来日。1866年没。