グランフロント梅田のビルにある小さな展示室に、膨大な貝をコレクションした10人の貝類学者のプロフィールとともに、伝説の標本が展示されています。日本の博物学を支えてきた在野に近い人びとの、個性的な人生が紹介されています。
岩手県陸前高田市に生まれ「西の熊楠、東の源蔵」と称された鳥羽源蔵(1872-1946)。東日本大震災の津波で流出したコレクションの修復が進むなかで、彼の偉業に新たな光が当たっているということです。
また、大正2(1913)年、京都岡崎動物園の南隣に平瀬貝類博物館を設立した平瀬與一郎(1859-1925)。博物館はすぐに財政危機に陥り、1919年には閉館するのですが、大正期の岡崎公園のイメージが少しふくらむような資料がなんともステキでした。