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山水−隠谷の声、遊山の詩〈相国寺・金閣・銀閣の名品より〉:相国寺承天閣美術館

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第1部〈隠谷の声〉は、室町期を中心に。お出迎えは周文筆「十牛図」。尋牛、見跡、見牛、得牛の4場面が見られました。闇に衣の朱が映える「洞窟達磨図」、墨をする拾得と“吾心似秋”と岩に書く寒山が描かれる牧谿の「豊干寒山拾得図」、同じく牧谿「江天暮雪図」は鹿苑寺。狩野元信「商山四皓山水図」は慈照寺、これが良いです。雪村作と伝わる「山水図屏風」も。
第2部〈遊山の詩〉は、相国寺住持・鳳林承章(1593-1668)と後水尾天皇(1596-1680)の交流が3つの寺を支えた江戸期の作品。相国寺からは、住吉如慶「四季山水図座屏」や「伊勢物語・布引の滝図屏風」「花下遊楽図屏風」「遊女勝山図」など、遊享の諸相が見てとれます。鹿苑寺の「金閣寺遊楽図屏風」は寺院というより名所遊山の場のように描かれています。野々村仁清「銹絵夜の富士絵茶碗」や、常設展示されている伊藤若冲「葡萄小禽図床貼付」「月夜芭蕉図床貼付」を見るにつけ、さすがは金閣寺と思わずにいられません。
第3部〈臥遊のひととき〉は、江戸中期から近代まで。円山応挙は3点出ていますが、36歳の作「雪中山水図」がいちばん好き。池大雅も3点。重文「白雪紅樹図」よりも、相国寺111世・維明周奎による義政や大文字の由来などを書いた長文の賛も楽しい「慈照寺境内図」が気に入りました。ほかにも、桃山パワーを感じる長谷川等伯「探梅騎驢図屏風」や、赤穂浪士ゆかりの瑞光院に富岡鉄斎が描いた「忠臣板蕩図屏風」。
絵画以外にも、国宝「玳玻花文天目茶碗」をはじめとする器物。「源氏夕顔蒔絵手箱」や「足利義政遺愛文房具」なども展示されています。

by nijinotami | 2018-01-16 15:55 | 美術館・博物館 | Comments(0)

美術館や博物館、コンサートや落語など、行きたいところはいっぱいあります。月に1度ぐらいは女装して出かけてます。


by 岡村ゆかり