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1月、2度めの京都国立博物館

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先日まで若冲が陳列されていた展示室を中心にキョーハクを見てきました。庭の紅梅もちらほらと。

しばらく休室していた3階、陶磁・考古のフロアでは、野々村仁清「色絵若松図茶壺」がお出迎え。

2階に降りて〈絵巻〉は、14世紀の宗俊本・遊行上人縁起絵を、京都・金蓮寺と兵庫・真光寺の2作を展示。信州での一遍踊り念仏、白河の関、塩竃・松島の場面を比較できます。踊り念仏のイメージも、かなり違っています。真光寺版に描かれた裸の赤子に乳をのませる女が印象的でした。二祖・他阿の行状まで描くのが宗俊本の特徴とか。

〈仏画〉は4幅の仏涅槃図。なるほど涅槃図は大きくなければならないんですね。

〈近世絵画〉は富士山の絵。小田原の賑わい越しに富士を描いた「富士見図屏風」にはじまり、やわらかな狩野山雪「富士三保松原図屏風」と、対照的な曽我蕭白の「富士山図」。円山応挙「四季富士図」は4幅に。19世紀に入ると、中林竹洞「浮島清夏図」、司馬江漢に学んだ合川珉和「七里ヶ浜図」、オランダ商館長付医師ヤン・フレデレック・フェイルケの「富士山図」と、西洋の影響が現れます。リアルな原在中の「富嶽図」と、ノスタルジックな原在善の「富士見西行図」。最後は幕末の不穏な空気が満ちた冷泉為恭の「富士山登龍図」。良い展示でした。

〈中世絵画〉は、14~16世紀の瀟湘八景図。〈中国絵画〉は、昭和初期に広東総領事をつとめた須磨弥吉郎の、1900年代「嶺南派」絵画コレクション。

〈特集・皇室の御寺 泉涌寺〉では、展示替え後の名品を。迫力ある四手の「三宝大荒神坐像」、楊貴妃観音の別名を持つ「観音菩薩坐像」、そして三人の律師像。いずれも13世紀作の重要文化財です。また、鶴沢探索「孔雀図屏風」にかわって、同じく6曲1双の「大堰川遊覧・子の日桜狩図屏風」が。作者・浮田一蕙は、「日本の表装」に展示されていた「祐宮像」(明治天皇の幼名)の作者と伝わる人。尊皇派と泉涌寺、興味深い関係ですね。

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白梅は、まだ一輪咲きというところ。
早く春が来ないかな~。

by nijinotami | 2017-01-23 19:33 | 美術館・博物館 | Comments(0)

美術館や博物館、コンサートや落語など、行きたいところはいっぱいあります。月に1度ぐらいは女装して出かけてます。


by 岡村ゆかり