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屏風が映し出す縁:千總ギャラリー

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“屏風祭”とも言われる祇園祭に合わせて、7月1日から始まった展示。“屏風が映し出す縁”とは、京都の絵師・画家たちと彼らを支えた千總の人脈が重なるところ。出口付近に掲示されていた、円山応挙から神坂雪佳まで、絵師たちの住まいや拠点を地図に落としたパネルは、とても興味深いものでした。
《1、京と町絵師たち》
長沢蘆雪・花鳥図屏風(6曲1双)は、春から夏の花と雀や燕を描く中に、次の動きを伺うようなイタチを登場させています。松村景文・花鳥図押絵貼屏風は、京の老舗を飾るのに相応しい作品。やわらかなイノシシの存在感は森祖仙・猪図屏風。吉村孝敬・水辺群鶴屏風(6曲1双)が描く丹頂鶴と真鶴の淡い佇まい。ここまでが江戸期です。
《2、明治の京都画壇と千總》
岸竹堂・大津唐崎図屏風(8曲1双)は、1876年のフィラデルフィア万国博覧会に出品されたもの。雪化粧した大津の町に牛車や人影、唐崎の松越しに見える琵琶湖と遠景。近代の気配を感じる作品です。
千總ゆかりの日本画家たちの下絵による型友禅。岸竹堂の龍(1879)をはじめ、今尾景年の烏と白鷺。梅山景山、望月玉泉、幸野楳嶺、藤井玉洲、久保田米僊の明治20年代の図案が展示されています。千總12代の竹陰が60歳の正月に描いた富士に松図屏風(1915)が展示を締めくくります。
会期末の五日間、円山応挙の絶筆・保津川図屏風(重文)が出るようです。行ってみようかな。
Commented by nijinotami at 2017-09-26 21:00
最終日に5日間だけ出品された、円山応挙の「保津川図屏風」を見てきました。“乙卯晩夏冩”とあり、応挙が亡くなる1か月前の作品。1795年、63歳の応挙が描く8曲1双の大作です。静かな色調のなかに、迸る白の水勢とうねるような青い川。雄大な構図に多彩な流れの貌が描かれていました。
by nijinotami | 2017-08-24 22:43 | 美術館・博物館 | Comments(1)

美術館や博物館、コンサートや落語など、行きたいところはいっぱいあります。月に1度ぐらいは女装して出かけてます。


by 岡村ゆかり