もうすぐ始まる明治150年展と連携した展示も多い今回のコレクション展。案内にはフェリーツェ・“リチ”・上野=リックスの壁紙デザイン「そらまめ」が使われています。
特集は田村宗立(1846-1918)。「洋童之図」で知られる京都洋画壇の先駆者ですが、南画や仏画、画帳や資料も多く展示されています。写真は「地獄休日之図」。粟田口青蓮院内の療病院で解剖図を描きつつ油彩を学んだ彼の「古都夕照」や「京都駆黴院図」が見るものに迫ります。
〈春の日本画(前期)〉には、小倉遊亀、今尾景年、都路華香、池田遙邨ら、新旧10点。〈明治時代の西洋絵画〉には、シスレー、ルノワール、ヴラマンク、ボナール、ユトリロなど13点。
〈産業と美術の関係〉では、上野リチのほか、浅井忠「編みもの」やデュシャン「瓶乾燥器」など。なかでも文承根「活字球」に惹かれました。
〈没後30年 菅野聖子の世界〉1933年仙台に生まれ、福島大学学芸学部に学び、1958年関西へ。1964年、吉原治良の具体美術協会に参加。1988年、54歳で長岡京市で亡くなるまでの作品がまとめられています。
「ランジュバン方程式」「ドップラー効果」「レヴィ=ストロースの世界2」など音楽が聞こえてくるような抽象画。
小品ですが、1956年の「モーツァルト、ピアノ・コンツェルト第19番」、1962年の同第20番(写真、うまく撮れなかったけど)がステキです。