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奇想の系譜展:東京都美術館

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美術史家・辻惟雄氏が1970年に著した『奇想の系譜』、ワタシも買っちゃいました。〈江戸のアヴァンギャルド一挙集結〉〈江戸絵画ミラクルワールド〉とあるように、8人の絵師たちの多彩な表現に目を奪われるひととき。次はこの人の絵をもっと見たいと思わせる入門編の側面も。8人の絵師は以下のとおり。

伊藤若冲(1716-1800)の「象と鯨図屏風」がお出迎え。「梔子雄鶏図」や「海棠目白図」といった花鳥画が良かった。11羽のふくふくとした目白が描かれたポストカード(部分)を買いました。
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曾我蕭白(1730-1781)は、「雪山童子図」も良いけれど、ワタシは「富士・三保松原図屏風」や「楼閣山水図屏風」のほうが好き。
長沢芦雪(1754-1799)は、和歌山や名古屋での特別展を思い出します。かわいい作品だけでなく、「方広寺大仏殿炎上図」や厳島神社の「山姥図」の迫力も。
岩佐又兵衛(1578-1650)は、もっと見たい!「山中常盤物語絵巻」「堀江物語絵巻」のあぶなさ。「伊勢物語梓弓図」「本性坊怪力図(太平記)」の文学性。「舟木本洛中洛外図屏風」も岩佐又兵衛。
狩野山雪(1590-1651)の「韃靼人狩猟・打鞠図屏風」と「四季耕作図屏風」を並べて見ると、狩猟民族と農耕社会との対比が面白いと思いました。「武家相撲絵巻」もいいですね。
白隠慧鶴(1685-1768)と鈴木其一(1796-1858)は『奇想の系譜』外から。
白隠では、裸に注連縄ひとつをまとい代参を口実に商家に金をせびりに上り込む最下層の僧「すたすた坊主」がいい。其一は「夏秋渓流図屏風」の美しさ。樹にとまる蝉もすぐに見つけられました。色調を抑えた「柳に白鷺図屏風」もステキでした。
最後は歌川国芳(1797-1861)。大判錦絵に続いて、浅草寺の「一ツ家」と、成田山の「火消千組の図」と、二面の絵馬に見送られて会場を後にしました。



by nijinotami | 2019-03-08 20:27 | 美術館・博物館 | Comments(0)

美術館や博物館、コンサートや落語など、行きたいところはいっぱいあります。月に1度ぐらいは女装して出かけてます。


by 岡村ゆかり