〈マリメッコの花から陶の実へ〉とは、フィンランドで32年にわたりマリメッコのテキスタイルデザイナーとして活躍し、現在は同じくフィンランドの陶器メーカー・アラビアで陶芸に取り組まれている石本藤雄(1941〜)を表す言葉です。
彼の生み出したテキスタイルデザインや陶芸作品と、京都・細見美術館の琳派コレクションとが競演する展示。綿生地に墨で描かれた石本藤雄「リナンブイスト/城の庭園」1989に包まれるように置かれた上坂雪佳/六代高橋道八「老松文鉢」や、尾形光琳「柳図香包」(写真)とともに置かれた3枚の角皿「柳」(石本、2018)などにコラボレーションの妙を感じました。
明るい色彩のマリメッコの図柄に囲まれて、ゆったりと見る琳派。それぞれに派が咲き乱れる感覚。
本阿弥光悦/俵屋宗達「忍草下絵和歌断簡」、尾形光琳「墨竹図」、深江芦舟「立葵図」、酒井抱一「槙に秋草図屏風」、鈴木其一「水辺家鴨図屏風」「初荷入船図」「糸瓜に朝顔図」「桜下花雛図」、池田孤邨「四季草花流水図屏風」、酒井道一「菊花盛果図」、中村芳中「朝顔図」「立葵図扇面」「初夏山水図」「花卉図画帖」など。ワタシのいちばんのお気に入りは「撫子図屏風」(江戸前期、作者不詳)です。